最判昭和39年2月27日

しかし、旧民法九六六条、九九三条(民法八八四条)の相続回復請求権の二〇年の時効は、相続権侵害の事実の有無に拘らず相続開始の時より進行すると解すべきことは、当裁判所の判例(昭和二三年(オ)第一号同年一一月六日第二小法廷判決民集二巻一二号三九七頁参照)とするところである。本件について見るに、Dの相続権はその相続の当初よりAに侵害され、その侵害の状態が引き続き爾後の相続人に及んでいると認定されていること叙上のとおりであるから、Aが爾後の相続人の相続権を侵害しているとしても、新たな侵害が存在するわけではなく、Dの相続人E以後上告人に至るまでの相続人らの相続回復請求権の消滅時効期間二〇年の起算点は、Bの死亡によりA及びDの相続が開始した時であるとした原判決の判断は正当であつて、所論違法は認められない。所論は独自の見解に立つて原判決を非難するものであつて、採用できない。

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