受遺者が所有権移転登記手続請求訴訟を行う場合の被告適格【最判昭和43年5月31日】

事案の概要

  1. 被上告人らは、訴外亡Aから、その所有の本件建物について、各持分二分の一の割合による遺贈を受けた。
  2. 同人の死亡によりその効力を生じたものと主張して、Aの相続人である上告人に対し、右遺贈を原因とする共有持分二分の一ずつの所有権移転登記手続を求めている。
  3. 上告人は、原審第一一回口頭弁論期日に、その提出にかかる昭和四一年一一月一五日付準備書面に基づいて、右遺言に際して訴外Bが遺言執行者に指定された。
  4. 昭和四〇年一月一三日に名古屋家庭裁判所において、同人は遺言執行者の地位を解任され、弁護士Cが遺言執行者に選任された。

争点

  1. 受遺者が所有権移転登記手続請求訴訟を行う場合の被告適格

判旨

受遺者が所有権移転登記手続請求訴訟を行う場合の被告適格について

 遺言の執行について遺言執行者が指定されまたは選任された場合においては、遺言執行者が相続財産の、または遺言が特定財産に関するときはその特定財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有し、相続人は相続財産ないしは右特定財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることはできないこととなるのであるから(民法一〇一二条ないし一〇一四条)、本訴のように、特定不動産の遺贈を受けた者がその遺言の執行として目的不動産の所有権移転登記を求める訴において、被告としての適格を有する者は遺言執行者にかぎられるのであつて、相続人はその適格を有しないものと解するのが相当である(大審院昭和一四年(オ)第一〇九三号、同一五年二月一三日判決、大審院判決全集七輯一六号四頁参照)。

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