公正証書遺言作成時に証人となれない者が同席していても有効か【最判平成13年3月27日】

事案の概要

  1. 本件遺言書の作成にあたっては、証人及び立会人欠格者である、受遺者の長女である永岡文江(受遺者の直系血族)が立ち会っている。
  2. 本件遺言にあたって、公証人井野三郎は、遺言者の子である被控訴人は室外に出るように指示したが、永岡文江については排除しなかった。その理由として、公証人井野三郎は<1>永岡文江を家政婦と思っていたこと(平成八・六・七付井野証人調書五五項五六項)、<2>被控訴人は受益者と判断したので外にだしたこと(五七項)、<3>永岡文江を遺言者の妹であり証人適格があると思っていたこと、証人になれないような人を排除したこと(五九項)、<4>しかしながら永岡文江は排除する必要はないと思ったこと、を証言している。
  3. ところで、本件遺言書には遺言者の養父、即ち、永岡の実父元重克己に対して遺贈する趣旨が記載されている。公証人はその時点で、永岡文江が証人・立会人としては不適格であることを直ちに認識すべきであったが、このことを見落した。

争点

  1. 公正証書遺言作成時に証人となれない者が同席していても有効か

判旨

公正証書遺言作成時に証人となれない者が同席していても有効かについて

遺言公正証書の作成に当たり、民法所定の証人が立ち会っている以上、たまたま当該遺言の証人となることができない者が同席していたとしても、この者によって遺言の内容が左右されたり、遺言者が自己の真意に基づいて遺言をすることを妨げられたりするなど特段の事情のない限り、当該遺言公正証言の作成手続を違法ということはできず、同遺言が無効となるものではないと解するのが相当である。

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