相続人の配偶者が証人となった場合遺言公正証書は有効か【最判昭和47年5月25日】

事案の概要

  1. 訴外亡仲川安太郎が昭和二五年一一月一六日奈良地方法務局所属公証人吉田律役場において同公証人に委嘱して甲第二号証の公正証書正本の基本である公正証書を作成した
  2. 訴外亡仲川安太郎はみぎ公正証書をもって被控訴人仲川文子に対し奈良県北葛城郡王寺町大字王寺三、六九八番地の一地上、家屋番号同所第二五二番店舗の内、一、木造瓦葺平家建物置一棟建坪一四坪三合一勺一、木造瓦葺平家建営業所一棟建坪一一坪〇合七勺。同所三、六九八番地の一、一、宅地一〇七坪八合のうち、前記建物敷地および西南隅所在の土地九坪。一、煙草および文房具商品一切ならびにその営業権を遺贈した
  3. みぎ公正証書の作成には訴外大西米造および同栩山孝行が証人として立会したが、訴外大西米造は遺言者訴外亡仲川安太郎の長女大西アサヘの夫である

争点

  1. 相続人の配偶者が証人となった場合遺言公正証書は有効か

判旨

推定相続人の配偶者が証人となった場合遺言公正証書は有効かについて

 民法九七四条三号にいう「配偶者」には推定相続人の配偶者も含まれるものと解するのが相当であるところ、原審の確定した事実関係によれば、本件遺言公正証書の作成に立会した二人の証人のうちの一人である訴外Dは、遺言者Cの長女である訴外Eの夫であるというのであるから、右公正証書は、同条所定の証人欠格事由のある者を証人として立会させて作成されたものといわなければならない。したがつて、右遺言公正証書は遺言としての効力を有しないとした原審の判断は、正当として是認することができる。そして、右Dの配偶者Eが当該遺言によつてなんら財産を取得していないことは、右判断を左右する理由とはならない。

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