図面を用いて作成された自筆証書遺言は有効か【札幌高決平成14年4月26日】

民法968条1項は、自筆証書による遺言について、遺言者が、その全文、日附及び氏名を自書し、押印することを定めているところ、そこにいう「全文」については、遺言の対象や内容を明確にするために写真・図面及び一覧表等を用いること一切を否定するものではなく、遺言者が図面等を用いた場合であっても、図面等の上に自筆の添え書きや指示文言等を付記し、あるいは自筆書面との一体性を明らかにする方法を講じることによって、自筆性はなお保たれ得るものと解するのが相当である。
 本件記録によれば、日附・氏名の自書及び押印は真正なものと認めることができるのみならず、上記書面に使用した耕地図上に記載された本件当事者の各名称も被控訴人の自筆によるものと認められ(なお、被相続人の自筆部分がいずれも真正であることについては、当事者間でも争いがない。)、同書面が既存の耕地図を利用して作成されたとの一事をもって、自筆遺言証書が全文自筆によるべきであるという要件に反するというのは、形式的に過ぎ、相当でない。

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