吉日と書かれた自筆証書遺言は有効か【最判昭和54年5月31日】

事案の概要

  1. 東京都新宿区若宮町一一番地亡庄田吉勝(以下吉勝という)は、昭和五二年三月二五日事故により死亡した。当時吉勝には配偶者と原告、被告を含む八人の直系卑属(うち三人は昭和四六年以降出生した非嫡出子)がおり、右九人が共同相続人となつた。
  2. 被告は東京家庭裁判所に吉勝の遺言書として別紙記載の遺言書の検認を申立て、同裁判所は同庁昭和五二年(家)第三一九五号遺言書検認事件としてこれを受理し、同年五月一〇日これを検認した。
  3. 右遺言書はいわゆる自筆証書による遺言書の形式を有するものであるが、その作成日附として「昭和四拾壱年七月吉日」と記載されていた。

争点

  1. 吉日と書かれた自筆証書遺言は有効か

判旨

吉日と書かれた自筆証書遺言は有効かについて

 自筆証書によつて遺言をするには、遺言者は、全文・日附・氏名を自書して押印しなければならないのであるが(民法九六八条一項)、右日附は、暦上の特定の日を表示するものといえるように記載されるべきものであるから、証書の日附として単に「昭和四拾壱年七月吉日」と記載されているにとどまる場合は、暦上の特定の日を表示するものとはいえず、そのような自筆証書遺言は、証書上日附の記載を欠くものとして無効であると解するのが相当である。

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