共同相続人の1人が法定相続分以上の登記をしながら後に抹消登記手続請求をすることは許されるか【最判昭和56年10月30日】

事案の概要

  1. 本件土地はもと岩井晟の所有であつたが、同人が昭和四一年五月二一日死亡したため、同人の妻被上告人高橋喜美子は、その子らとともに本件土地を相続した
  2. 被上告人高橋喜美子は、本件土地については三分の一の持分しか取得しなかつたにもかかわらず、昭和四四年九月一一日本件土地について自己の単独相続による所有権移転登記を経由し、これを前提として、昭和四五年四月上告人保泉義春に対し、同上告人は、昭和四六年一一月上告人岩浪博に対し、同上告人は、昭和五〇年六月上告人内村シズ子に対し、順次本件土地を売り渡していずれもその所有権移転登記を経由した

争点

  1. 共同相続人の1人が法定相続分以上の登記をしながら後に抹消登記手続請求をすることは許されるか

判旨

について

 被上告人高橋喜美子は、上告人内村シズ子に対し、自己の持分を超える部分についての右所有権移転が無効であると主張して、その抹消(更正)登記手続を請求することは、信義則に照らして許されないものと解するのが相当である(最高裁昭和四〇年(オ)第七二〇号同四二年四月七日第二小法廷判決・民集二一巻三号五五一頁参照)。

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