相続財産管理人の代理権はいつまで存続するか【最判昭和50年10月24日】

事案の概要

  1. 残余相続財産たる本件各建物の所有権及びその敷地たる本件土地の賃借権が相続財産管理人Aにより国庫に引き継がれたのは、昭和四六年一月一日であり、上告人は、右日時に先立つ昭和四五年六月一五日到達の書面をもつて、同人に対し、本件土地の延滞賃料の催告及びそれが期限までに支払われないことを条件とする本件土地の賃貸借契約解除の意思表示をした

争点

  1. 相続財産管理人の代理権はいつまで存続するか

判旨

相続財産管理人の代理権はいつまで存続するかについて

 相続人不存在の場合において、民法九五八条の三により特別縁故者に分与されなかつた残余相続財産が国庫に帰属する時期は、特別縁故者から財産分与の申立がないまま同条二項所定の期間が経過した時又は分与の申立がされその却下ないし一部分与の審判が確定した時ではなく、その後相続財産管理人において残余相続財産を国庫に引き継いだ時であり、したがつて、残余相続財産の全部の引継が完了するまでは、相続財産法人は消滅することなく、相続財産管理人の代理権もまた、引継未了の相続財産についてはなお存続するものと解するのが相当である。民法九五九条は、法人清算の場合の同法七二条三項と同じく、残余相続財産の最終帰属者を国庫とすること即ち残余相続財産の最終帰属主体に関する規定であつて、その帰属の時期を定めたものではない。

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