相続人に相続不動産の使用借権が認められるか【東京高決平成9年6月26日】

事案の概要

  1. 抗告人は、少なくとも昭和48年以降は、××丁目の土地に自己名義の店舗を建設し、園芸センターの経営主体となっていたものであること、被相続人が、昭和55年以降、抗告人に××丁目の土地の固定資産税及び都市計画税を支払わせていた
  2. 実質上の長男である抗告人に対しては、昭和46年に抗告人が結婚するに際して、××丁目の土地に家を建てて居住させ、昭和44年に××丁目の土地で始めていた園芸店の経営については、少なくとも昭和48年には、同土地に抗告人名義の店舗建設を許し、抗告人がその経営主体となることを許した。
     
  3. 実質上の次男である被抗告人長谷川広士に対しては、昭和60年から遺産目録1の〈1〉、〈3〉、〈4〉及び〈5〉の土地(遺産目録の1の〈2〉を含めて「×丁目の土地」と呼称する。)上にある同じく遺産の一部である貸家を無償で利用させているが、この固定資産税等の支払いはさせていない。また、被抗告人広士が昭和52年に飲食店を開業した際の借入金について、被相続人は、昭和60年ころ千葉の土地を処分した金の一部である400万円をこの返済に充てている。
     
  4. 実質上の三男である被抗告人長谷川佑士に対しても、被相続人は、昭和63年ころから×丁目の土地にある遺産の一部である借家を無償利用させ、固定資産税等の負担をさせていない。また、被抗告人佑士は、陶芸で自活できるようになったと思われる平成2年ころまでは、被相続人に生計を依存していた。

争点

  1. 相続人に相続不動産の使用借権が認められるか

判旨

相続人に相続不動産の使用借権が認められるかについて

被相続人は、抗告人が××丁目の土地を抗告人が生計を営むために使用することを認めていたものであり、抗告人は、相続開始時において××丁目の土地について使用借権を有していたものと認めるのが相当である。

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