代償分割する際に支払能力が必要か【最決平成12年9月7日】

事案の概要

  1. 被相続人楠木博文は、昭和28年5月23日死亡し、その相続が開始した。
  2. 相続開始当時の相続人は、妻の被相続人楠木きん、子の茂木はる、楠木政芳、楠木照代、相手方相沢順子であった。しかし、楠木政芳が昭和50年8月1日死亡し、妻の抗告人楠木真弓、子の抗告人楠木一彦が相続した。次いで、楠木照代が昭和60年9月11日死亡し、その母である被相続人楠木きんが相続した。さらに、茂木はるが平成7年12月25日死亡し、子である相手方市野孝子、同茂木憲史、同茂木英明が相続した。
  3. 被相続人楠木きんが18分の9、抗告人楠木真弓が18分の1、同楠木一彦が18分の2、相手方相沢順子が18分の3、相手方市野孝子、同茂木憲史、同茂木英明が各18分の1である。
  4. 原審は、抗告人相沢順子に対し、原決定確定の日から6箇月以内に、相手方らに総額1億8822万円を支払うことを命じているところ、原決定中に同抗告人が右金銭の支払能力がある旨の説示はなく、本件記録を精査しても、右支払能力があることを認めるに足りる事情はうかがわれない。

争点

  1. 代償分割する際に支払能力が必要か

判旨

代償分割する際に支払能力が必要かについて

 家庭裁判所は、特別の事由があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対し債務を負担させて、現物をもってする分割に代えることができるが(家事審判規則109条)、右の特別の事由がある場合であるとして共同相続人の一人又は数人に金銭債務を負担させるためには、当該相続人にその支払能力があることを要すると解すべきである。

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