遺産共有の財産の分割を判決で行うことができるか【最判昭和62年9月4日】

事案の概要

  1. 訴外大田多市は昭和17年4月17日に死亡し同人の妻、訴外ミヲは同27年7月5日死亡し、同人ら間の子、正は昭和50年6月12日死亡し、同人の妻ヨリコは同36年4月28日死亡して、前記正とヨリコら間の子である長男正隆、同三男正三、同四男国男、同三女本山オミ、同五女吉井タカテルと同被告五男大田久朝とが別紙目録不動産を共同相続した
  2. そして前記不動産中、宅地については何れも松山地方法務局伊予三島出張所昭和53年12月25日受付第4364号をもつて登記原因同50年6月12日相続、原、被告らの持分、各6分の1なる旨の所有権移転登記がなされ、又建物については同出張所同日受付第4365号、共有者原、被告ら持分各6分の1宛なる所有権保存登記がなされている
  3. しかし前記不動産については被告が遺産分割に強く反対しているため原告において保存行為として原、被告ら全員が法定相続分6分の1宛で相続登記した旨の「相続登記」をなした
  4. その後前記不動産につき原、被告ら間でこれを民法249条所定のいはゆる「通常の共有」とする旨の合意は被告の反対により成立するに至つていない

争点

  1. 遺産共有の財産の分割を判決で行うことができるか

判旨

遺産共有の財産の分割を判決で行うことができるかについて

遺産相続により相続人の共有となつた財産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家事審判法の定めるところに従い、家庭裁判所が審判によつてこれを定めるべきものであり、通常裁判所が判決手続で判定すべきものではないと解するのが相当である。

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