最判昭和54年2月22日

被上告人らは右各土地売却の時に共同相続人の一員としてそれぞれ共有持分権を有し、かつ、共有者の一員として右売買に加わつており、それらの権利についてなんらの侵害を受けていなかつたことが、明らかである。また、共有持分権を有する共同相続人全員によつて他に売却された右各土地は遺産分割の対象たる相続財産から逸出するとともに、その売却代金は、これを一括して共同相続人の一人に保管させて遺産分割の対象に含める合意をするなどの特別の事情のない限り、相続財産には加えられず、共同相続人が各持分に応じて個々にこれを分割取得すべきものであるところ(最高裁昭和五二年(オ)第五号同年九月一九日第二小法廷判決・裁判集民事一二一号二四七頁参照)、前記各土地を売却した際本件共同相続人の一部は上告人に代金受領を委任せずに自らこれを受領し、また、上告人に代金受領を委任した共同相続人もその一部は上告人から代金の交付を受けているなど、原審の適法に確定した事実関係のもとでは、右特別の事情もないことが明らかであるから、被上告人らは、代金債権を相続財産としてでなく固有の権利として取得したものというべきであり、したがつて、同債権について相続権侵害ということは考えられない。

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