東京高決平成元年12月28日

寄与分制度は、被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした相続人に、遺産分割に当たり、法定又は指定相続分をこえて寄与相当の財産額を取得させることにより、共同相続人間の衡平を図ろうとするものであるが、共同相続人間の衡平を図る見地からすれば、被代襲者の寄与に基づき代襲相続人に寄与分を認めることも、相続人の配偶者ないし母親の寄与が相続人の寄与と同視できる場合には相続人の寄与分として考慮することも許されると解するのが相当である。
 これを本件についてみるに、原審判認定の俊輔が中学卒業後農業後継者として相続財産の増加・維持に寄与した事実及び宏子が俊輔の配偶者として農業に従事し、俊輔死亡後も被相続人らと同居のうえ、俊輔の遺志を継いで吉田家の農業後継者のために農業に従事して相続財産の維持に寄与した事実を、相手方敏子及び同秀明の寄与分として認めることは寄与分制度の趣旨に反するものではないと解される。そして、俊輔及び宏子の寄与の期間、方法及び程度、本件の相続財産の額、他の相続人の生活歴及び寄与の有無等記録に顕われた一切の事情を考慮すれば、俊輔及び宏子の寄与に基づく相手方敏子及び同秀明の寄与分を相続財産額の半額と定めた原審判の判断が原審判に許された裁量判断をこえて違法であると認めることはできない。

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