最判平成9年3月25日

本件会則等においては「正会員が死亡した場合におけるその地位の帰すうに関しては定められていないが、右のような正会員としての地位の譲渡に関する規定に照らすと、本件ゴルフクラブの正会員が死亡しその相続人が右の地位の承継を希望する場合について、本件会則等の趣旨は、右の地位が譲渡されたときに準じ、右相続人に上告会社との関係で正会員としての地位が認められるか否かを本件ゴルフクラブの理事会の承認に係らしめ、右の地位が譲渡されたときに譲受人が踏むべき手続についての本件ゴルフクラブの会則等の定めに従って相続人が理事会に対して被相続人の正会員としての地位の承継についての承認を求め、理事会がこれを承認するならば、相続人が上告会社との関係で右の地位を確定的に取得するというところにあると解すべきである。けだし、正会員としての地位の変動という結果に着目すれば、それが譲渡によるものか会員の死亡に伴う相続によるものかで特に選ぶべきところはなく、前記のとおり本件ゴルフクラブにおいては会員としての地位の譲渡が認められていて、会員の固定性は既に放棄されているのであって、会員が死亡した場合に、相続人自身がこれを承継することを禁ずべき根拠は見いだし難い上、本件会則等は、右正会員としての地位が、単に金銭的な権利義務のみならずゴルフ場施設の利用権も一体的に含むものとして、いわゆるゴルフ会員権市場において売買や担保設定のために広く取引されることを想定しているのであって、右のような取引の対象とされた正会員としての地位につき、上告会社との関係において地位の保有者の変更手続が行われる前に右地位の名義人が死亡した場合には、当該取引の対象とされた権利義務の一部が消滅することを当然の前提としていたとは解し難く、また、会員が死亡し相続人が右市場等において右の地位を処分することを希望した場合についても、これが妨げられると解すべき理由は見当たらないほか、本件ゴルフクラブの親睦的団体としての性格の保持についても、正会員としての地位が譲渡された場合に準じ、会員の死亡によるその地位の承継について理事会の承認を要するとすることで、その趣旨を実現することは可能であると考えられるからである。

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